牧師に必要なことは「人が好き」とか「聖書に詳しいこと」だと思っていました。
今は、「人の痛みがわかる」ことだと思います。
以前までの私は、猛烈な努力で人生を切り拓いてきたという自負がありました。だからこそ、努力をしない人や弱さを抱えるということに対して理解しようとする気持ちがありませんでした。
しかし、ある時に努力ではどうにもならない痛みや悲しみを経験しました。それは、貧しさやうつ病、そして手の平を返したような裏切りともいえる人間関係の辛さです。
その渦中にいるときはとても辛かったです。早く抜け出したいと思いました。もちろん今も、二度と同じことを経験をしたいとは思いません。
今はその経験があってよかったと思います。それは、相手の痛みや悲しみを理解したいと思うようになれたからです。
ある種の弱さや悲しみを抱える人と出会う時に必要なことは、正しさを語る口ではありません。痛みに寄り添おうとする心と時間です。
傷を通して学びました。
傷ついたからこそ誰かの心に寄り添うことが出来るのです。